防火基準

火災により、人命および財産である建築物が毎年大きな損害を被っています。貴重な人命・財産の安全確保の立場から建築物の火災に関する法規制が種々定められています。

1.防火地域と準防火地域における建築物の種類

防火地域と準防火地域

都市計画法第9条に、市街地における火災の危険を防除するため、防火地域と準防火地域が定められています。

防火地域と準防火地域

市街地の火災を防除するために各市町村で下記の種類の地域が定められています。

a 防火地域 町の中心部、主として商業地域に指定されることが多い。
b 準防火地域 防火地域をとりまき、比較的防火上重要な地域が指定されます。
c 法22条指定区域 都市計画区域内外にわたり指定されている準防火地域を囲むように指定されています。
耐火建築物と準耐火建築物

建築基準法で、耐火及び準耐火建築物はそれぞれ以下のように定められています。

耐火建築物
主要構造部を耐火構造とした建築物で、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、政令で定める遮炎性能を有する防火設備を設けたものをいう。(法第2条第九号の二)
準耐火建築物
耐火建築物以外の建築物で、主要構造部を準耐火構造とするか、又は準耐火構造と同等の準耐火性能を有するもので政令で定める技術的基準に適合するものとし、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、政令で定める遮炎性能を有する防火設備を設けたものをいう。(法第2条第九号の三)

防火地域、準防火地域及び指定区域における建築物の基準が下表のように定められています。

防火地域
(法第61条)
防火地域内においては、階数が3以上であり、又は延べ面積が100m2を超える建築物は耐火建築物とし、その他の建築物は原則として耐火建築物又は準耐火建築物としなければなりません。
準防火地域
(法第62条)
準防火地域においては、地階を除く階数が4以上である建築物又は延べ面積が1,500m2を超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が500m2を超え1,500m2以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物としなければなりません。また、地階を除く階数が3である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければなりません。
法22条指定区域
(法第22・23条)
防火地域又は準防火地域以外の市街地で、特定行政庁が指定する区域において、屋根を準不燃性能※、外壁で延焼のおそれのある部分を準防火性能のある構造とするなどの規制があります。
その他の区域
《大規模木造建築物等》
(法第25・26条)
延べ面積が1,000m2を超える木造建築物等については、外壁や軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、屋根を準不燃性能※のある構造とするほか、防火壁によって床面積1,000m2ごとに区画するなどの規制があります。
建築物が異なる地域
にまたがる場合
(法第67条)
建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域をまたがる場合は、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域の規定が適用されます。また、防火地域と準防火地域をまたがる場合は、防火地域の規定が適用されます。原則として、厳しい方の地域の規制を受けます。
  • ここでいう『準不燃性能』とは、「通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能(法第22条)」のことで、その技術的基準は、令第109条の5に定められています。

2.防火戸に関する建築法規制

防火戸の種類と構造
防火設備の種類

防火設備には、使用の目的と場所によって次の種類があります。

特定防火設備
火災の拡大を防止するものであり、防火区画や防火壁の開口部、外壁の開口部、避難階段の出入口部分などに用いられています。
防火設備
主として、開口部の延焼防止を目的として、防火区画の一部や外壁の開口部などに用いられています。
防火設備の規定

防火設備は、政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるか、国土交通大臣の承認を受ける必要があります。

防火設備の規定

防火設備の技術的基準

防火設備は、建築基準法及び建築基準法施行令により、その性能についての技術的基準が規定されています。

防火設備の技術的基準

  • 「建築基準法」は「法」と、「建築基準法施行令」は「令」と略します。(防火性の章において、以下同じ。)
防火設備の安全性能

平成17年12月に建築基準法施行令112条14項が改正され「通行の用に供する部分に設ける防火設備について安全性能についての下記規定が追加されました。

  1. 閉鎖作動時の運動エネルギーが10J(ジュール)以下であること。
    1ジュールは、1N(ニュートン)の力が物体を1メートル動かす時の仕事量。
  2. 防火設備の質量が15kg以下であること。(質量が15kgを超える場合は、水平方向に閉鎖するもので、閉じ力が150N以下であること。)
防火設備の構造方法

防火設備及び特定防火設備の技術基準に適合する構造方法については建設省(現、国土交通省)告示により、以下のように規定されています。

防火設備の構造方法

防火戸を使用しなくてはならない開口部
防火設備の必要な外壁の開口部

外壁の延焼のおそれのある部分で、防火設備を使用しなければならない開口部は下記の通りです。

防火設備の必要な外壁の開口部

防火地域内又は準防火地域内の規定は原則として上表のとおりですが、建築物の規模によって以下のように定められています。

  1. 防火地域内の建築物(法第61条)
    防火地域内の建築物(法第61条)
  2. 準防火地域内の建築物(法第62条第1項)
    準防火地域内の建築物
  • 技術基準のうち、隣地境界線等から水平距離が1m以下の部分の開口部に設ける防火設備については、以下のいずれかの構造とする必要があります。(令第136条の2第一号)
    • 1常時閉鎖式であるもの
    • 2随時閉鎖でき、かつ火災を感知して自動的に閉鎖するもの
    • 3はめころし戸である防火設備
    但し、換気孔または居室以外の室に設ける換気窓で、開口面積が各々0.2m2以内のものを除く。
延焼のおそれのある部分
  • イ.隣地境界線、道路中心線から1階で3m以下、2階以上では5m以下の距離にある建築物の部分
  • ロ.同一敷地内に2以上の建築物(延べ面積の合計が500m2以内の建築物では、1棟とみなされる)があるときは相互の外壁間の中心から、1階で3m以下、2階以上では5m以下の距離にある建築物の部分

延焼のおそれのある部分

延焼のおそれのある部分

防火設備の必要な区画の開口部

防火区画により、その開口部に必要な防火設備は以下の通りです。
ただし、これ以外にも区画できない部分の緩和等があります。

防火設備に必要な区画の開口部

  • ※1常時閉鎖または随時閉鎖方式とし、常時閉鎖以外の場合は、煙感知器連動または熱感知器連動とする。ただし、階段室、エレベーターの昇降路の場合には、煙感知器連動、かつ遮煙性能を有する構造とすること。
  • ※2常時閉鎖または随時閉鎖方式とし、常時閉鎖以外の場合は、煙感知器連動、かつ遮煙性能を有する構造とすること。
防火戸の認定と試験・評価方法
防火設備の認定

防火設備についての国土交通大臣の認定を受けるためには、指定性能評価機関※において試験を実施し、前評価を受けることが必要です。
※指定性能評価機関とは、国土交通大臣認定の事前評価を実施する機関で、原則として試験と評価の両方を実施します。

申請から認定までの流れ

申請から認定までの流れ

遮炎、遮煙性能を併せ持つ防火設備(複合防火設備)
〈適用範囲〉
堅穴区画で遮煙性能を要求される部分の防火設備に適用する開き戸について規定する。(エレベータの昇降路の防火設備)
〈防火設備の適用〉
建築基準法施行令第112条第14項二号に規定する区画に用いる防火設備。
〈遮煙性能〉
遮煙性能は、指定性能評価機関の防火設備性能評価業務方法書「自動的に閉鎖又は作動し、遮煙性能を有する防火設備」による認定試験で大臣が認定したものです。
遮炎、遮煙性能を併せ持つ防火設備
  • (注)1.“CAS”は「煙感知器と連動した防火設備の自動閉鎖機構」の意味です。
    Close automatically when the ocurrence of a fire has led to generation of smoke
  • (注)2.CAS認定は遮煙性能合格品を証明し、証紙貼りつけとする。
  • (注)3.遮煙性能認定品は上記以外でも、個別認定品があります。
防火設備の試験・評価方法

防火設備についての国土交通大臣の認定を受けるためには、指定性能評価機関において以下の方法で試験を行い、評価を受けることが必要です。

加熱方法
次の式で表される数値となるよう、特定防火設備は60分、防火設備は20分加熱する。
遮炎性能は屋内外両面を、準遮炎性能は屋外面についてのみ加熱する。
T=345log10(8t+l)+20
但し、Tは平均炉内温度(℃)、tは試験の経過時間(分)とする。
判定方法
  • 非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がないこと。
  • 非加熱側で10秒を超えて継続する発炎がないこと。
  • 火炎が通る亀裂等の損傷及び隙間を生じないこと。ただし、防火戸のくつずり及びシャッターの床に接する部分の隙間(10mm以下)は除外する。

耐火標準加熱曲線

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